民法改正でどう変わるのか

先日、民法改正のセミナーで勉強してきまして、主に関係しそうな改正点では、どの様な影響を受けるのか考えてみました。

【賃貸借の存続期間の上限が20年から50年となる。】
住居系の賃貸借をメインで扱う宅建業者さんにはあまり影響のない内容だと考えます、ソーラー・風力発電施設等が想定できます。

【賃貸物件の一部を利用できなくなった場合】
賃借物の一部が「滅失」した場合、賃借人が賃料減額を請求できるとの定め、改正法では、滅失しなくとも、また請求の有無にかかわらず、賃借物の一部を使用・収益することができなくなった場合、当然減額される。付帯設備の不具合等が考えられますが、減額の見積もり基準が難しい、事前に詳細な基準が必要となる可能性がある。

【賃貸人の修繕義務】
賃貸人が修繕しない場合も、賃借人が勝手に修繕できず、裁判所の仮処分をとる事が必要であったが、改正法では、賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、または、賃貸人が修繕の必要を知った後に相当の期間内に必要な修繕をしないとき、及び急迫の事情があるときは、賃借人が建物を修繕できる。修繕の内容と急迫性、価格の正当性の判断基準が難しい、特約で修繕規模の範囲を限定すべきか。

【原状回復】
改正法では、原状回復の「義務」と明記され、賃借人の責に帰すべき事由がないときは、賃借人は、現状回復義務を負わない。経年劣化による通常損耗については、貸主が負担すると規定。すでにガイドラインに基づき対応できている部分が明記されます。

【危険負担】
甲の建物を乙に売った場合、甲の責に帰することができない事由によって滅失又は、損傷した時は、乙の負担と負担となり、売買代金を支払わなければなりませんが、改正法では、債権者主義ではなくなり、「債務者主義」の採用、その滅失等は債務者(甲)の負担となる。乙の「履行拒絶」という効果。当事者双方に帰責事由が無く履行不能となった場合でも契約を解除しうる、甲に帰責事由は不要。従って、「契約目的が達成できない場合」は、乙は契約を解除することになる。

【瑕疵担保責任】
現行法では、目的物を引渡した時点で完全に履行した事になり、引き渡し後に「隠れた瑕疵」が見つかった場合も、債務不履行にはならず、買主保護として、損害賠償請求または契約解除請求を認める。改正法では、引き渡し後に見つかった欠陥は、債務の履行として「契約の内容に適合するか否か」が問題とされ、契約内容に適合しないときは、「債務不履行」となる(契約不適合責任。契約責任説)買主は新たに補修請求等の「履行の追完」を求めることができるようになる。(売主の追完義務)

【買主の代金減額請求権】
買主が相当の期間を定めて履行の追完の催促をし、その期間内に履行の追完が無いときは、買主は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる。前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、買主は、同項の催促をすることなく、直ちに代金の減額を請求する事ができる。1.履行の追完が不能であるとき。2.売主が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき。3.契約の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、売主が履行の追完をしないでその時期を経過した時。4.前3号に掲げる場合の他、買主が前項の催促をしても履行の追完を受ける見込みがないことが明らかであるとき。

【賃貸人の地位の移転を対抗するには登記が必要】
新・中間省略(三為契約)のケースで、収益物件を取得するケースでは、関係がありそうです、多くの場合、Cの資金で決済する訳ですから関係はないのですが、グループ会社間での売買契約等では影響がありそうです。

(一般社団法人)不動産ビジネス専門家協会
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MonthlyPREB-20180201

投稿者: Agent_K

1990年より不動産業に従事。 所有資格:マンション管理士・宅地建物取引士・管理業務主任者