売却の媒介業者選びのヒント

不動産を売却する時に多くの方は複数の不動産仲介業者に査定を依頼し、会社の規模や営業マンとの相性、査定価格を見極め、媒介契約を締結するのではないでしょうか。不動産業者に査定を依頼すると、査定価格の根拠の資料や図面を用意し、近隣物件の下見を行い、売却に関する周辺知識の確認をしてから訪問する営業マンが多いと思います。また、即売れる価格と相場と強気価格の3種の価格を聞いておくとよいと思います。

一昔前に、宅地建物取引業免許番号から更新回数が分かるので、( )内の数字の高い業者が歴史があり信頼できるような情報もありました。知識と経験は豊富と考えられますが、主な業態、定休日、営業時間も聞いておくと依頼したい内容とマッチする業者であるか確認できます。

賃貸管理、賃貸媒介が主な業態ですと心許ない感じがしますし、土日祝日が休みですと、内見に立ち会えませんし問い合わせにも対応出来ません。名の知れた大手仲介業社か、地場業者、仲介手数料のダンピング業者か、選択肢は色々あります。

因みに平成9年以前は、不動産業の免許の有効期限が3年でしたが、5年に延長されましたので、平成9年以前開業の業者さんですと、更新回数に5を掛けた営業年数ではない可能性があります。

なお、都道府県知事免許は、一つの都道府県内に事務所事があり、国土交通大臣免許は、2つ以上の都道府県に事務所がある。という事になります、いずれにしても日本国内どこでも媒介は可能です。

業者を見極め、選定作業が完了したら媒介の依頼です。媒介契約の種類は3種類あります。

【一般媒介】
複数の業者に依頼できるタイプで、他社にも依頼した場合の「明示型」「非明示型」があり、多くのケースは「非明示型」を選択するようです。売主は自ら発見した相手と直接契約でき、媒介業社はレインズの登録義務や業務の報告義務もなくお互いの拘束力が最も軽い媒介契約内容となっている事で、簡単に媒介契約が取れると考え、所有者を調べて訪問してくる業者も多いとか。媒介業者は、他社で契約が決まる可能性もあることから、時間と費用を掛けない営業となる可能性もあります。

【専任媒介】
依頼できる業者は1社のみ、売主は自ら発見した相手と直接契約ができ、媒介業者は業務の報告義務が2週間に1回以上あり、契約期間は3ヵ月が上限、更新は依頼者の申し出により更新することができます。媒介業者は7営業日以内に、レインズ登録義務があります。

【専属専任媒介】
依頼できる業者は1社のみ、売主は自ら発見した相手と直接契約ができず、媒介業者は業務の報告義務が1週間に1回以上あり、契約期間は3ヵ月が上限、更新は依頼者の申し出により更新することができます。媒介業者は5営業日以内に、レインズ登録義務があります。

専任媒介と専属専任媒介の場合は、必ずレインズ登録済証を貰いましょう。物件概要と図面の登録の有無、ステータスの確認ができるURLとID、パスワードが記載されています。ステータスの内容は、「公開中」「書面による申込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」の3種類、売主、買主、双方から仲介手数料を狙うために、仲介業者からの問い合わせに対し、「話が入っている」「申し込みがある」等の理由を付けて紹介をしない手口を「囲い込み」と言い、図面作成中と言えば、まだ囲い込みができる余地もあるので、図面の登録も早めに依頼しましょう。

 

 

三方よしの「新・中間省略」

「新・中間省略」とは、売主A買主Bとした契約において、Bの登記を経由せずAから最終買主Cへ直接所有権移転登記をするもので、A・B間B・C間の売買契約に下記特約を付ければ成立する。

A・B特約
1.【第三者の為にする契約であること】
Bの指定する者が直接Aから所有権を取得する。
2.【所有権留保】
Bが売買代金を支払い済みでもCが見つかるまで所有権をAに留保できる。
3.【受益の意思表示の受領委託】
Cは所有権移転を受ける旨の意思表示を、Bに対してする。
4.【買主の移転債務の履行の引き受け】
BがCに対して負う所有権移転義務を、AがBに代わって履行する。

B・C特約
1.【所有権移転の時期】
所有権の移転は買主が売買代金の全額を支払った時期に登記名義人
から直接、買主に移転する。
2.【第三者の弁済】
本物件の所有権を移転する売主の義務は、売主が売買代金全額を
受領した時に、その履行を引き受けた登記名義人が、
買主に所有権を直接移転する。

メリットとしては、Bには不動産取得税がかからない、登記しないのだから登録免許税も必要ない。建物があれば、消費税の納税義務とCが宅建業者でなければ、瑕疵担保責任を負うだけで、差益を手にすることができ、略して三為業者と呼び、蔑まされたり揶揄されたり、あまり褒められた業態ではなさそうだが、色々研究してみると、顧客の為になるケースもある。

例えば、大きな土地を宅建業者以外の方が売却する場合、高値を狙い分割して不特定多数に業として分譲すると宅建業法違反となるが、新・中間省略契約で分譲業者に売却した場合、業者は金利負担、不動産取得税、登録免許税の負担が無い分高値で買い取れる条件が整う。各々の分譲後の残金決済となるが、最終的に売主は高く売る事ができ分譲業社はリスクの軽減ができ分譲価格も抑えられる可能性もある。

他にも、戸建てや区分マンションの売主とリフォームして転売する業者にも上記のメリットは出てくる。一旦Bとなる事で、瑕疵担保責任を付ける義務が発生し、顧客は安心感も得られる。

また、CRE対策、共同開発、専有卸等々、三方よしと言える契約方法とも言えそうです。

(一社)不動産ビジネス専門家協会ニュースレターです。
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